ポナンのクルーズ■ヨットスタイル 南の島々
南の島こそクルーズで。
学生の頃から南の島が好きだった。
社会人になっても、時間があれば南洋に飛ぶ飛行機に乗っていた。目的はどこでもよく強い陽差しと、冷えたビール、それに風が抜けていくビーチがあれば満足だった。
結婚後は毎年のようにホノルルに行っていた。だが、子どもが学校に行く頃には、南の海への気持ちが離れてしまった。
ひとつは商業化されすぎた街に。グアムでもホノルルでも観光地として違いが感じられなくなっていったこと。もうひとつは、人工的な場所ではなく本物の南の海で過ごしたいという経験を欲しがるようになっていた。その後はアジアの海へ。悪くはないが、のんびりした海に1週間はなかなか落ち着けない。日本人らしさが恨めしかった。
そして最近はクルーズに乗るようになった。
ずっと南洋にいながら、いつも違う場所にいる。
セイシェルの主島は国際空港のあるマエー島。沿岸長が100kmにも満たない島の北部に中心地のビクトリアがある。近隣には砂浜とヨットハーバーを囲むように立てられた複合リゾート施設のエデン・アイランドがある。
マエー島の魅力はビクトリアから5km海に出たマラン・ド・サン・タンヌ国立公園の水域と、北西部から南東に点在する、遠浅のビーチに尽きる。特に南西部は、午前中にから訪れると海を堪能できる。