船内生活■優雅なる冒険を楽しむ船旅
船の時間が快適になる
乗船2日目。ゆったり過ごすのが心地よくなった。携帯電話もつながらず、食事や明日のこともとりあえず考えなくていい。船の外は海。想いは内側へ、自分の人生へ向かう。20代の頃には、50歳ですら年寄りと思っていたが、まだまだ元気な自分に感慨が深い。船で覚えた新しい価値観として、本場のレディファーストの作法に注目した。やってみると楽しい。さりげなく格好がいいのだ。が余裕がないとレディファーストは様にならない。7階のバーからプールの周りの乗客のそぶりを眺めながら、「こりゃ、いい男にしかできんな」と慨嘆した。かみさんは笑っている。
中学生のように英語を楽しむ
毎日、外国人に囲まれながらたどたどしい英語を思い出しながら話さなければならない。乗船前はそれが嫌というか不安だったが、乗ってみると些細なことに思える。毎日毎日、少しずつ話せるようになる。子供だまし程度だが、それがかなり楽しい。外国人は、とにかく軽い挨拶を交わす。挨拶ができれば簡単に友だちになれるという当たり前のことを実感する。客船に客として乗っただけである。それが新しい何かをする勇気をくれる。安全だがちょっとした精神的な冒険である。友人に勧められたクルーズ旅行、確かに悪くないと思っていた。