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アジアのエクスカーション■古都と摩天楼

下船は自由、午後7時までに戻ってくればいい。広島なので日本語は通じる。ツアーには参加せず、路面電車で広島を回る事にする。
波止場から路面電車の海岸通り停留所まで10分ほど。そこから路面電車で広島駅まで20分。山陽本線に乗り換えて宮島口までまた20分ほど。概ね1時間の旅。駅前で、宮島行きのフェリーのチケットを買って本土側の門前通りを5分ほどで抜けるとフェリーが泊っている。15分おきに船は出ているとの事。乗って出港を待つ。
外国人観光客が多く混じった船は10分ほどで宮島のフェリーターミナルに到着する。
広場を抜けて、島側の門前通りを歩く。名物である焼き牡蛎屋が多い。大ぶりな牡蛎を4つ刺して香ばしいダシ醤油で焼いた串は、通り過ぎさせてくれない。
一つ貰って立ち食い。旨い。

門前通りを出て海沿いに歩くと、厳島神社の入り口が見えた。
入る。見事にシンプルで飾りがない。なのに朱色で覆われた建物には貧相な風情がいささかも見受けられない。
確かに日本の美である。一時間ほど居たが飽きる事がなかった。
厳島神社を出て右に大鳥居が見えた。、昼過ぎは干潮で大鳥居まで歩いて行ける。そのまま海に降りて、わかめで緑色になった土を踏みながら鳥居へ近づく。平清盛が興してから8代目という大鳥居、近くで見ると削って形を整えるなどの加工をしていない大木そのもの。大迫力である。
夕方に原爆ドームと平和記念公園へ行く。
実は初めての広島。長崎も行った事はなかった。原爆ドームの凄惨さに思わず唾を飲み込む。一撃で7万人が重傷あるいは即死。落とす方も落とす方だが、迎える方も人間魚雷やら特攻隊。戦争を知らない世代ではあるが、その愚かさは繰り返しては行けない事くらいは気持ちに刻まれる。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
  
 
 
 
 
 

見どころは毎日続いた。
宇和島では宇和島城へ。翌日は鹿児島をめぐり、長崎では爆心地を見て日本を離れる。
パスポートの出国印はNAGASAKI。普通の旅行ではなかなか見ない判子で嬉しい。
今日は終日船。毎日歩き回った疲れを癒すように、のんびりする。
朝9時に起きて、ゆっくりと朝食。慣れもあって一日船でも、まったく苦痛ではない。家でのんびりしているようなものだ。
腹がこなれた頃にプールサイドで日向ぼっこをしながら持ってきた本を読む。そのうちうたた寝をしてしまった。あっという間に昼ご飯になる。ビュッフェなので、あっさりした料理と野菜を中心に食べる。
食い意地があって、上手いものは食いたいと思っているが、これだけ上手いものを食べ続けると食い意地も満足してしまう。値段が高いから食ってみたいという感覚が薄くなる。
《続く》《こちらをクリック》